創造する魂

小説をあまり読まなくなって大分経ちます。

読まなくなった理由は、
自分の周りに起こる実際の出来事のインパクトの方が大きすぎて(笑)作家の脳内で組み立てられたフィクションにさほど興味が持てなくなったのが一番ですかねえ。。

事実は小説よりも奇なり、とは良く言ったもので。

それに伴い、
テレビもあまり観なくなり、特にバラエティ番組になると年間視聴時間は3時間未満てとこかなw

ドラマも朝ドラくらいしか観ていなかったけど、
最近再び視聴することも増えてきました。

ドラマや小説に対して寛容になったというのかな。
そういう世界もアリだよね、みたいな、創られた世界へのドアを再び開けてみたくなった訳です(回りくどいなw)。

外出先で入った書店で、目に留まったこの本。
最初は興味も無かったんだけど、たまたまカーラジオで、この本が話題になっていました。
直木賞と本屋大賞、ダブル受賞は珍しい。
書店員さんイチ押しで、直木賞選考委員も推した小説。

分厚い単行本なので、書店で買わずにネットで( ̄▽ ̄;)



これは、日本のとある街で開かれたピアノの国際コンクールに出場する若者達の物語。

一般的なピアノの練習とは違うやり方でピアノを弾き覚え、聴衆の心を鷲掴みにした少年。
日本で暮らした暗い日々、ピアノに出会う事になった混血の少年。
天才少女と言われながら、母の死がきっかけで舞台から消えた少女。
家庭を持ち、サラリーマンとして働きながらも、幼い頃の夢を今も胸に抱く若き父親。

彼らがピアノコンクールの予選を勝ち抜いて行く様を、淡々と、しかし暖かく時に感情を込めて綴った物語。

果たして優勝するのは誰なのか・・・ラスト近くでそれが明かされます。

彼らが魂込めて弾くピアノの音が活字の間から溢れ聞こえて来るような文章に、分厚い物語はどんどん進みます。

ちなみに私はピアノは全く弾けません。
猫踏んじゃったすら覚束ない。右手と左手が一緒に動く。
何より致命的なのは、
・・・手が小さい!
ピアニストは手が大きい方が絶対有利だそうですが、鍵盤の上で手を目一杯広げても、
ドレミ・・・のドに右手親指を置くと、小指はシでギリギリと言う感じ。

手の平も小さく指も短いので、市販の手袋は指が余って「けろっこデメタン」の指みたいになってしまう←解る人は爆笑するとこww

クラシック音楽の知識も乏しくて、誰が何の曲を作ったか、と言うのもてんで知らない。

そんな私でも、この本の中で、
主人公達が弾くピアノの曲のメロディは多分こんなじゃないか・・・と言う想像が膨らんで来て、脳内に繊細なピアノの旋律が再生し始める。
(実際のメロディなんて全く知らないのに)

物語に出て来るコンクールの課題曲を集めたCDがあったら良いのになぁ。
・・・と思ってたら、


↑あるじゃん!!!

私みたいに、曲が聴きたいって人は居るよね!
読んじゃったらやっぱ、聴きたいよねーw

ピアノが弾ける人はホント、羨ましいなあと、この本を読んでつくづく思いました。

「絵が描けて羨ましいです」と言われる事があるけど、私はそんな時は、

「大丈夫、あなただって、あなただけの美しい絵が描けますよ」
と答える事が多いです。

でも、ピアノは違う。
音を知り、曲を知り、楽譜を知って、弾き方を知る、そこから初めて1曲弾くまでにかかる時間を考えたら、途方もなく遠い未来でクラクラしてしまいます(笑)

絵にしても、ピアノにしても、文章にしても、

最初は1人の人間の内からわき出て来るものです。
表現方法に違いはあれど、人々の心の琴線に触れ、感情を揺さぶり、観た者の中で、新たに熟成されていく。

芸術は、留まるところを知りません。
常に色々な場所で進化し続けている気がします。

私も、そんなにインパクトの大きな作品を残そうとは思っていないけど、
観た人が心和ませてくれるような、ちょっとでも笑顔が生まれるような、
そんな作品を生み出せたらなぁ。

久しぶりに、自分の創造する魂を揺さぶられた物語に出会えました。

恩田さん、ありがとう。

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